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OUT of AFRICA 〈2〉

"出アフリカ"の結果、北に向かったヒトは白人種(コーカソイド)となり、ヨーロッパに定住。一方、東に向かったヒトは黄色人種(モンゴロイド)となり、アジアに広く分布、さらにベーリング海峡を渡って、北米→南米まで生活圏を求めました。モンゴロイドは前回も述べました通り、ナトリウムを体内に保持する遺伝子を "出アフリカ"の過程で徐々に捨てていったと思われますが、日本列島ではこれに加えてやや特殊な事情があるようです。この日本の特殊な事情を簡単に(歴史の専門の方からはおおざっぱ過ぎるとお叱りをうけそうですが・・・)説明してみます。
数万年前、当初、日本列島に住み着くようなったのは、黒潮にのってやってきた太平洋・東南アジア系のアジア人で、彼らのことを縄文人と表現して良いでしょう。その後、約3500年前(?、諸説あるようです)に大陸→朝鮮半島から南下してきて日本列島に住み着くアジア人が現れ、彼らのことは弥生人と表現して良いでしょう。
弥生人は、日本列島に降り立つ前、北方で生活するうちに、ナトリウムを体内に保持する遺伝子を縄文人より早期に捨てていったと推測します。前回、北米の例でも触れましたが、寒帯での生活では、この遺伝子を持つことは高血圧→脳卒中を発症、結局、生存には不利にはたらき、自然淘汰されることになります。したがって、黒潮文化の縄文人がナトリウムを体内に保持する遺伝子を高い確率で持っていたと考えられるのに対して、大陸文化の弥生人がこの遺伝子を持つ確率は縄文人よりは低かったであろうことが推測されます。
弥生人の南下で生じた異文化の出会いは、当初、縄文人と弥生人の間でイサカイをも生み出したようですが、やがて共存→混血も進んでいきます。したがって、もともとの日本列島先住民である縄文人の血(遺伝子)は弥生人によって薄められたとはいえ、日本人はナトリウムを体内に保持する遺伝子を持つヒトが多い民族といえます。
最近は夏もエアコンが快適な環境を提供してくれますので、ナトリウムを体内に保持する遺伝子に起因する食塩感受性高血圧はこれからも増え続けるでしょう。日本の縄文遺伝子を持つ人の高血圧症も米国におけるアフリカ系住民(ネグロイド)の高血圧症と同じ事情なのです。

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